ハーディー・ガーディー

06.7/31
ハンドルが付いた弦楽器なんて世界初だろう。と思っていたら

あった!しかも千年も前から。

その名もハーディー・ガーディー(Hardy-Gurdy)!ハンドルは弓の代わりとして使われていた。
スケッチで悪いけど見た目はこんな感じ。



よく見てもらいたい。画像左下、ハンドルが付いている。ネタでも、ふざけているワケでもない。
これを作った人は大真面目にやった事だ。

たぶん。

実は誰が最初に作ったのか不明なので、どうしてこんな事をしたのかは解っていない。
ツッコミどころが満載の、この楽器。まず形が決まっていない

どういう事かと言うとリュートやギターの形をしていたり(上のスケッチはリュート型)箱型だったりバイオリン型だったりする。
一説では壊れた楽器をリサイクルして作っていたらしい。
それって、

異常者と一緒じゃないですか!!

ちなみにギターを元にするとこんな感じだ。


弦の数も1本だったり4本だったり3本だったり6本だったり、とにかく決まっていない。
もう一度言うが、これは千年の歴史を誇る楽器である。ビバルディーやモーツァルトも専用の曲を作ったほどの楽器である。

ハンドルの仕組みは至って簡単。ハンドルの先に円盤が付いていてハンドルを回すと円盤も回る。 そして円盤に触れている弦が擦れて音が鳴る。
笑ってはいけない。当時は弓の代わりとなる画期的な大発明だった(きっと)。


ふざけているとしか思えない発想。

また鍵盤はピアノの様に弦を叩くのではなく弦を押える為にある。鍵盤を押えると鍵盤が弦を押える。
ちなみにハンドルが付いていて鍵盤が付いていないバージョンもある。その場合は弦を指で直接押える。
一体何が作りたかったのか…

更に初期型は2人で演奏した。とある。最初は2人じゃないと演奏出来ないほど巨大だったらしい
想像を絶する。教会で演奏されていたそうだ。それが1人でも演奏出来る位のサイズになり一般にも普及したらしい。当然だろう。

最後に。
スウェーデン・グラミー受賞バンド「ガルマルナ」のステファンはこう言っている。
「ハーディーガーディーの魅力はその不完全さにあるんだ。それは荒削りで未完成なんだ。」
薄々感付いてはいたけど・・・

千年間何してたんですか!?

後日談:ハーディーガーディーは「手回しオルガン」と呼ばれる事もあるが、手回しオルガンは正確には「大きいオルゴール」のような楽器らしい。
なんせ色々な形があり過ぎて、どれをハーディーガーディーと呼べばいいのか解らない状態だ。世界中で混乱が続いている。はた迷惑な楽器である。
なので結果ハンドルが付いてるのは全部ハーディーガーディーという事になってしまっている。もうヤケクソだ。
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