異常者の弁明

06.7/30
俺とFの頭がハンドルで一杯になっていても負塊の活動は続いていた。
ツアーが始まったのである。と言ってもホームであるCloveから出て何回かやる事になったのでFがツアーって言い出しただけなんだけど。

ツアー初日は本納マリンピースだ。Cloveから徒歩10分位だろうか。俺んちから徒歩8分位。近い。近過ぎる。
しかもイベントは昼から始まり、負塊の出番は丁度気温が最も上がる時間だった。
そんな早朝にリハなんかやるわけがない。テンションが下がり切った俺は本番に丁度良い時間に行く…つもりだった。

大遅刻しました。

着いたら始まってた。
スタッフが慌てて機材を運んでくれてセッティングする中、入場。どうやら演奏はまだ始まっていないようだ。みんな準備している。
異常者はアンプに挿してすぐ演奏出来るので大丈夫だろう。そう思っていた。ストラップを付け、アンプに挿し、弾こうとすると…

弦がベロンベロンになっている!

そうだった!昨日の夜ネックのソリが酷いので弦を全部緩めといたんだった!
ボヨーン、ボヨヨーン・・・なさけない音がこだまする。
慌てて音叉を取り出しチューニングする。音叉でのチューニング方法を考えといて良かった。
なんとかチューニングを終え無事ライヴを行う事が出来た。

言い訳をさせてもらうと、異常者は凄くフィーリングを大切にするので出来るだけチカラを抜いて演奏したい。
ミスらないように、とか上手く弾きたいとかは必要ないのだ。
大切なのは何が必要かを理解して、その為の準備をしておく事だ。その為に前日までの過程がある。
緊張なんて論外だ。もっと言うなら時間に追われてとか服装や機材のチェックとかはいらない。
ライヴを意識すればする程、求める物から遠ざかっていく。

だから練習も何も持たないで入ったりする。楽器は何でもいいのだ。異常者じゃなくてもギターでもピアノでも良い。
スタジオにあるのを借りて、時にはその場所にいるだけでも良い。

それはイメージトレーニングに近いかもしれない。俺はグルーブを合わせる。と呼んでいるが、つまりメンバーの調子と自分の調子を合わせる為に練習に入る感じだ。
メンバーの調子は日に日に変わるので、それに合わせて自分もライヴで一番良い感じになるように調整していく(失敗もあるが)。

音楽も(スポーツやその他同様)技術と精神だと思うのだが、異常者は後者を大切にしようと思うのだ。そう、

これが私の機材忘れや遅刻の言い訳です。

健常者のみなさんは大人のマナーとして忘れ物や遅刻はしないようにしましょう。
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