ハンドル

06.7月某日
異常者にハンドル付けてぇ…

漠然とそう思ったのが始まりだった。
何かインパクトのある物を付けたいってのはあったんだけど、行き着いたのがハンドルだった。
ライヴ中ステージで一生懸命ハンドル回してたら面白くない?しかもそれが音と関係する行為だったら…
演奏がパフォーマンスに直結するステキ楽器になるじゃん。
きっと何も知らないお客さんはこんな会話をするだろう。

「何アレ!?何か一生懸命回してるんだけど…」
「ホントだ…ただのパフォーマンスじゃない?」
「でもリズムに合わせて回してない??」
「えっ!?」

意味がある!?

面白い。これはちゃんと企画しよう。
というわけで、いつもの通りFと2人であれこれ考えた。
テルミンを内臓するって案が結構良かったんだけど、既にテルミン内臓ZO-3が出ているので「未曾有の楽器を作る」って言うコンセプトから外れてしまう。

ハンドルでテルミンを操作するってのは斬新だが、よく考えると何にハンドル付けても新しい気がする。
ハンドル付きエフェクター、ハンドル付きピックアップ・・・少し閃いた。もしかしたらハンドルが革命を起こすかも知れない。
何故ならハンドルで何をするかって言ったらそりゃもう「電気をおこす」って事でしょう?
つまり「発電」。これがなぜ革命かって?

電源が必要な回路を持つギターやベースを「アクティブ」って言うよね?そしてその電源ってのは普通9vの乾電池が使われる。
電源があると色々な可能性が出てきて、例えばエフェクターが内臓出来たりスピーカーが内臓出来たりする。もちろんテルミン内臓ZO-3もアクティブだ。
ってかZO-3はスピーカーがあるから基本的にアクティブだけど。

でもデメリットもある。それは、乾電池が切れると音が一切出なくなるって事だ。ライヴでは命取りになる。

そこで我が社が開発した物が

ハンドル でございます。

きっと将来こんな会話がなされるに違いない。

「お前のギター、パッシブ?」
「俺はアクティブだよ。何で?」
「実は俺、今日ハンドル買ったんだ。」
「マジで!?いいなー。俺もハンドルにしたいんだよね。」
「フェンダーがリプレイスメントのハンドル出してるよね。」
「そう!あれ結構回しやすいんだよ。」
「ギブソンのハンドルは重かったなー。」

・・・こんな感じで。やっぱり自給自足っていうのがいいよね。これは開発に着手せねばなるまい。

でも前に失敗した「異常者キーボード」の事もあるし、まず最初はシンプルにいこう。
未だにあの失敗を悔やんでいる。あとちょっとで完成だった幻の異常者キーボード。
やはりシンセサイザーを内臓する夢は捨てきれない。ここは一つハンドルでシンセサイザーを操ろう。
シンセサイザーって言っても究極に単純化した物で、鍵盤は付けない。サイン派みたいなのを発生させられればいいだろう。

開発が始まった。

余談:今回気付いたが、「こんな会話がされるだろう」っていう話がよく出てくる。今回出てきた2つの話はFと2人で考えたものだ。
2人とも妄想癖があるのかも知れない…が、面白いから好きだ。
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