始動
06.4/19
無人のスタジオに気分は萎え萎え↓↓軽く説明すると、このスタジオは人件費を切るに切ってるからスタッフは基本的に
1人しか常駐していない。そいつがいない。つまり建物ん中に俺しかいない。
・・・
急激に襲ってきた疲労感。ソファーに腰掛け、顔を上げる…
・
テーブルの上に無造作に横たわるソレに気が付くのに時間はかからなかった。薄暗い店内でソレは強烈な自己主張をしていた。
何故か俺の魂に火が付いた!ノコギリを握った手に汗が滲む!!
次の瞬間、俺は夢中でノコギリを動かしていた!!
飛び散る汗!(と木クズ)。
ソレが誰の物か、そこを切ってしまうと弦を5本しか張れなくなるがいいのか、そんな事はどうでも良かった。ただ俺はそこを切りたかった!
もう少しで切り終わる!手に力を入れ最後の数cmを切ろうとした、その時!
突然部屋の扉が開きFが入って来た!!
動かなくなるF!!
何かにとり憑かれたようにギターを切る俺!!
凍りつく時間。
立ち尽くすF。
飛び散る木クズ。
こぼれ落ちるヘッド!!?
ん?ヘッド!?
そう、俺はそのギターと思われるナニカのヘッドを切り落としてしまったのだ!
ヘッドを切り終わり、我に返る俺。
動き出した時間。
もう戻らない木クズ。
ノコギリを握り締め、言い逃れの出来ない状況にいる俺にFが詰め寄り、無惨にもヘッドの切られたギターを見てこう言った…
「イイね!」
異常者製作の始まりである。
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© 2006 異常奏者