異常者インタビュー


今回は2ndデモアルバムについて色々尋ねたいと思います。
よろしく。
今回も異常者1本で録音したのですか?
そうです。異常者以外の楽器は使わずに多重録音で行いました。
4曲目は重ねてもいません。シングルトラックです。
なるほど。2ndは随分時間が掛かったようですが?
はい。実は1stを作って間髪入れずに2ndを出した方が面白いと思って 弐号機になってすぐにレコーディングを始めたのですが全然曲が浮かばなくて作れなかったんですよ。
アドリブで曲を作るのには凄い集中力が必要で、普段の状態では作れない事が解ったんです。
まさに何かが降りている特別な状態でないと作れないという事ですね?
そうです。シャーマンのような(笑)
でも聴いてもらえれば解ると思いますがシャーマンというか、そういう霊的な物を表現しようとしているのも事実です。
1stを作った時にアジア楽器・民族楽器を目指す中で気付いたのが仏教だったんです。
異常者で仏教を表現すると?
いや、別に仏教を表現するわけではなくてイメージ的な物です。ベトナムの寺院やインドの仏像を想像しながら弾いたり。
言い方が悪かったですね。仏教に固定ではなくて、例えばインカの遺跡とかでも良いんです。
神秘的な何かを自分の中に取り入れて演奏すると、霊的な表現が出来る事に気付かせてくれたのが仏教だったんです。
その表現方法がアジア楽器や民族楽器に通じる感じがしたんです。
なんだか大変な事になっちゃいましたね。
異常者自体はネタで作ったとしても私自身はミュージシャンですからね。音に対してはちゃんと向き合いたい。
ここはこんなシリアスで良いんですか?
たまには良いんじゃないですか?コアラと親指が話してるだけで十分異常ですよ。
確かに気味が悪いですね。じゃあ話を戻しましょう。
今回も前回同様アドリブ&1テイクだったのですか?
はい。その普段の日に作ったのが1と3曲目で2・4・5は前回同様、気持ちが高ぶった「今日しか録音出来ない!」って感じた日に一気にやりました。
なので1・3は録り直しもありましたが2・4・5は完全に1回きりです。
では曲ごとに説明をお願いします。まずは1曲目「儀式」からです。儀式って凄い曲名ですね。
3曲目の曼陀羅の方が凄いと思いますけど。この曲は弐号機になった時、スピーカーを内蔵した時にピックアップとスピーカーが拾う音の位相のズレが フェイザーのような効果をもたらす事に気が付いて作りました。
でもその後スピーカーのハウリングを抑える修正などをしたら、この効果が無くなってしまいました。
あとはサムピアノと歌が録音出来るようになったので、その実験ですね。
あ、あとフレットレスになったので1・2弦でフレットレスを強調するようなベースラインを演奏しています。
次は「祭殿」です。これは異常者だけで録音したとは思えないですね。空間を感じます。
これは1stの2曲目を昇華した感じですね。1stの2曲目を何度も聴いていたら異常者を打楽器として使えないか?と思い始めてやってみました。
評判は良いんですが、自分の中ではやりたかった事が100%出来てない感じです。演奏力も足りないと感じました。
今回気付いた事もあるので次回更に昇華させてやりたいと思います。
次は「曼陀羅」。本当に凄い名前ですね。
凄いのは名前だけですね。全然思うようになりませんでした。1stの3曲目みたいにしたかったのですが駄目でした。失敗です。
ハンドルは後から録音したのですが、これも効果的に使えませんでした。メインのリフだけ気に入っているのでCDに入れた感じですね。
4曲目「海」。これは凄いですね。どうやって弾いてるんですか?

弓です。異常者は弓でも弾くべき楽器だと考えています。しかし演奏力が足りなくメロディはまだ奏でられないのでオープンで弾きました。
これは間違いなく今回1番の集中力です。グルーブも気に入っています。個人的には、これが1番ですね。
そして最後の曲「蟻」。これはどういった意図で作ったのですか?

やっぱり1つは西洋音楽を入れようと思って作りました。前回の5曲目のような位置付けですね。
今回のアルバムのメインの曲でもあります。今回はイメージミュージックを目指したので、これもアリを想像出来るような曲に仕上がったと思っています。
ちゃんと曲名も見てもらいたいですね。1・3は微妙ですが。
全体を通して何か気付いた事はありましたか?
沢山あります。まだまだ異常者の可能性は尽きてないと感じました。
ただ、やっぱり反省点も沢山ありました。全体を通して聴くと1・3と2・4・5でグルーブが統一されていないのが気になります。
前回1夜で作ったのには意味があったんですね。コンセプトを追加しなければなりません。
音源は一気に作る。短期集中でないと「あの」感じは出せない事が解りました。
あとは演奏力ですね。ハンドルやサムピアノ・スピーカーを効果的に使えてないし、弓での演奏も課題です。
改造ばかりしてないで練習もしないといけないと感じました。
以上でインタビューを終わります。ありがとうございました。
ユーカリが丘にはコアラしかいない。

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