異常梱包2

06.8/21 & 11/9
凄く間が開いてしまいましたが、以前紹介した異常者用ハードケース、その続きです。

外装は以前書いた通り。次は内装です。楽器の「型」はスタイロフォームという青色の発泡スチロールみたいな物を使います。建築資材などの売り場にあると思います。
「発泡スチロールカッター」は絶対あった方が良いと思われます。加工は楽なのですが、私の様に普通のカッターでやると綺麗に出来ないし時間がかかります。

このようにギターの形に合わせて型を作っていきます。


形が変わる恐れがあるのと時間の関係で必要最低限の型取りしかしていませんが本来は全体の型取りをします。
フタ側にも少し貼ってあるのは、異常者がズレないようにする為です。本来はフタ側も全面にスタイロフォームを施します。
本格的に作ろうと思っている方は市販品を見て研究して下さい。

型が出来たら、その上から赤いベロア生地を貼り付けます。

安く作ろうとする場合、この生地がとても高いです¥見た目にこだわらないのなら貼る必要はありません。
全面に貼る予算が無かったのでスタイロフォーム同様一部分だけにしました。でもやっぱり貼るとカッコイイよね。
私は生地関係はトーカイかユザワヤで買っていますが、誰か安くてお勧めのお店がありましたら教えて下さいまし。

私は今後の事を考えて貼り付けていません(かぶせているだけ)が、ピシッと貼り付ければ更に見た目も良くなります。


こうしてケースが完成したのが8/21、その後の8/24 & 27、9/24のライヴは安心して異常者を運ぶ事が出来た。
やはりケースを作って正解だった…

と思ったのも、つかの間。

11/9の昼、寝坊した私は初台でのライヴに向かう為、慌てて異常者をケースへ入れた。その時だ。

ガツッ。あれ?入らネェ!!

そうなのである。フタが閉まらないのである。何故かって?そりゃモチロン、
蛇口がブツかるんだよ!

想定外の事態です。変形する事を見越し、横方向には大きめに作ったハードケースでしたが、
まさか縦方向に巨大化するとは思ってもいませんでした。(縦→厚さの事ね)

これに気付いたのが前日だったなら、もっと他の方法を考えた事でしょう。
しかし実際は寝坊したライヴ当日の昼に判明したのです。もう考えている時間はありません。
慌てた私は、


・・・異常者を弾かなくなった時でも、ギターやキーボードのケースとして使えるように考えて作ったハードケース。
それなりにちゃんと作り、愛着も涌いていたのですが、時間が無くパニックになっていた私は、異常者と心中する道を選びました。

これが前回話した裏エピソードになるのですが、ハードケースから蛇口が飛び出ている様子は非常に奇怪です。
初台Wallは車で行くのですが、近くには各界のご要人が使うようなホテルの地下駐車場みたいなのしかなく、正装じゃない我々がいるだけで目立ちます。
テロを警戒しているのか警備員が多く、交番まであります。そんな中、蛇口の飛び出たケースを持ってうろついていたらどうでしょう?

間違いなく逮捕されます。

運が良くて職務質問でしょう。そして絶対にケースの中身を確認するハズです。
K「そのケースを開けてみろ!…待て!ゆっくりだ。ゆっくり開けるんだ!」
K「何だコレは!キサマ!こんな物で何をする気だ!!何だこのハンドルは!改造銃だな!」
いくら楽器と説明しても信じてもらえない事でしょう。むしろ誤解を招くような物しか入っていません。
傍らにはミシン。これはどう見てもこれからライヴに行くとは思えません。むしろそれはカムフラージュと取られて逆効果になりかねません。
もし職務質問を受けてもケースは開けない方が賢明でしょう。

そんなこんなで駐車場からホテルを抜けて通りに出るまで大変でした。
「2時方向、警備員を発見!フォーメーションアルファ!」かけ声と共に蛇口が警備員に見えないようにメンバーの陣形が変わります。
「今度は9時方向に警備員!あ、1時方向にはポリスメンが!」もうダメかと思いましたが、慌ててケースの角度や向きを変え何とかホテルを脱出する事が出来ました。
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