ダルマ

07.3/25
以前テレビで睡眠は「眠りの深さ×時間」と専門の学者が言っていた。
なので普段私は効率の良い眠りを取ろうと意識が保てるギリギリまで起きている。

眠りは大切だ。そして眠りには良い眠りと悪い眠りがある。
そして眠りに大切なのはもちろん、その環境、特にベッドだと聞いた。

なるほど、そういう事か。

ベッドに穴が開いているのがいけなかったのか。

普段睡眠の環境はおざなりになっている私。
以前ベッドの上が作業場と話したと思うが、作業が1日で終わらない場合、隙間にムリヤリ身体を収めて寝る。
少し片付けてから寝ればいいように思うが、上でも書いた通り意識を保てるギリギリまで作業しているので余裕が無いのである。
「く」の字くらいならまだいい。うちの環境はそんなに甘くない。「N」字や70cm四方のスペースに寝る事も多い。
元々寝相は良い方だが、こんな事を繰り返しているうちに今ではすっかり寝返りをうたなくなった。
そのせいか、起きると体中が痛い。以前腰を寝違えた事もある。

しかしそれまでは水平方向の障害だけだったが、ベッドに穴が開いた事により垂直方向の障害も増えたのだ。
人間、平らな所ならまだ障害物があってもなんとか寝られるが、デコボコした所は非常に寝づらい。

そのせいか今日は、

五体不満足になる夢を見た。

しかもホラーな演出付きで。

気が付くと未開の山中にいた。例の如く人類滅亡系の設定だろう。
草が覆い茂る中、私は十数人のグループに混ざり、どこかを目指していた。
やがて足場が非常に悪くなった。沼地に出たのだ。沼地に沿って移動していく。
ドロドロの足場をなんとか移動していく。足を滑らせれば沼へと落ちてしまう。
しかし誰も助け合わない。みんな自分の身だけで精一杯なのだ。
そう。誰ひとり口を開く者はいなかった。皆無言でここまで歩いてきたのだ。
互いの顔さえ知らない私たち。ただ一緒にいれば生き延びる可能性が少し高くなる。
そう本能で感じるかのように皆、無言のまま必死についていく。

事実、はぐれたら終りという雰囲気が漂っていた。
後ろから何かの視線を感じるのだ。それは獣とかではなく、もっと霊的な感じだった。
ふと気が付くと人数が減っている気がする。
先頭は見えないので何人いるかわからないが、自分の後ろにいた人間が減っている気がするのだ。
気のせいかと思い、進む。しかし振り返るとさっきまで後ろにいた人間が1人もいなくなっているのだ。
次は私の番だと思った私は何度も後ろを振り返りつつ必死で前についていった。
辺りは既に暗くなっていた。振り返るが何もいない。しかし前を向くとすぐ後ろに気配がするのだ。
息がかかるくらいすぐ後ろに。
月明かりだけの闇夜。凄く怖いシナリオだった。

そして気が付くとメンバーが数人(7人くらい)まで減っていた。
皆、メンバーが消えていってる事に気が付いていた。そしてついにリーダーと思われる人が皆に集まるように言った。
皆で円を組んだ。誰かが消えたらすぐ気が付くように。
そして今日はもう遅いので夕飯を食べて明日また出発する事になった。
中心にランタンが置かれ、それぞれの前に1枚の大きな皿が並べられる。
そして晩餐が始まろうとしたその時、メンバーの一人がぼやくのだ。
どうして俺がこんな暗くなるまで、こんな所を歩かないといけないんだ。何でこんな目に…みたいな感じで。
皆無言でうつむいていた。そしてそいつが最後にこう言ったんだ。
こんなワケのわからない物を食わされて…
そこで皆、気が付いたように皿をよく見たんだ。それまで疲れていて注意すらしていなかった皿を。
正確には皿に盛られている物を。


皿には腕と足が盛られていたんだ。

それに気が付いた瞬間、私を含め、そこにいた全員がダルマ(両手足が無い状態)になっていたんだ。
あまりの恐ろしさに悲鳴と共に目が覚めました。


はぁ、早くなんとかしなければ…
ベッドを買いたいのは山々だが、お金が無い。
現在安くて丈夫なマットレスを探している。
戻る

Home

© 2006 異常奏者