シムの話


リフィニッシュとは関係ないが、ここでシムの仕組みを説明しよう。
これがギターを横から見た状態だ。

緑色の部分がナット、赤色がブリッジだと思ってほしい。青色は弦だ。

○の部分にシムを挟む。


拡大。水色がシム。


これに加えブリッジとトラスロッドで調整をする。


これはブリッジ寄り(画像右寄り)にシムを置いた場合だが、画像左寄りに置けばヘッドが上方向に上がる事になる。
イメージしてもらえば解ると思う。
シムの厚さは1mm前後が多い。0.1mmでも効果がある。そんなちょっとで効果があるのか? と思うだろうが、画像を見て解るようにジョイント部分では0.1mmのズレでもヘッドに向かうにつれてズレが非常に大きくなるのだ。

どういう時にシムが必要になるかというと、ナット・ブリッジ・トラスロッドで弦高が調節出来ない時だ。
よって最終手段に近い。これ以上は加工やパーツの交換が必要になる。
私が高校の頃は「音が良くなる」と勘違いして意味も無くシムを挟んでいたが、

無ければ無い方が良い

ネックとボディの間に隙間を作る事になるので振動の伝達が悪くなるからだ。
逆にこの事を利用して音を調整している場合もある。その場合は必要と考えるべきだ。

私のベースの場合もシムが音に深く影響していたのだがネックを外した事でジャストフィットしていたのに隙間が出来たらしく 音が変わってしまった。
仕方ないのでシムを外してみると普通に音が太くなった。ここは以前の不思議な音を諦めてシムを無くす方向で行こう。

※ちなみに私が高校の頃挟んだシムは綺麗にザグリと同じサイズに切ってあった。隙間を埋める物と思っていたらしい。
シムのサイズは縦1cm横3cmくらいでいいだろう。もっと小さくてもいい。大きいと効果が薄い。
素材は0.5mmくらいまでは厚めの紙を重ねたりして、1mmくらいだとビデオのケースがお勧めだ。


シムの例

シムを無くすには
ギターで説明するがストラトキャスターとレスポールを横から見るとこんな感じだ。
ストラト

レスポール


ピンときただろう。レスポールはデフォルトでシムを使ったような角度が付いている。ザグリが斜めに作られているのだ。
これはアーチドトップにする為にブリッジを上げる、ブリッジを上げる為にネックに角度を付けた。と考えられる。
アーチドトップ(ボディの表面が膨らんでるやつ)は表面が平らじゃない為に平らなブリッジは付け辛いのだ。
しかし、私のベースには平らなブリッジが付いている。ブリッジの下にプレートを挟んで平らにしているのだ。



あらゆる所に隙間があり不愉快な構造だがプレートは低音に影響してそうなので取るのは止めた。

話を元に戻すが、つまりシムを取るにはジョイント部のザグリに傾斜を付ければ良い事になる。
結構シビア&取り返しが付かない作業なので自信が無い人はやらない方が身の為だ。



赤い部分を削る。画像だとかなり削っているように見えるが実際は最大の所でも1mm程度だ。削り過ぎると大変な事になる。
タバコの箱くらいの大きさの板に60番程度のヤスリを巻いて慎重に削って行く。
木が異様に硬かったので私はカンナの刃で削ったが初心者にはお勧めしない。

何度もネックを当てて弦を伸ばしてみて確認する。削り過ぎると取り返しが付かない。

こんな加工をしていたら段々愛着が湧いてきてボディが気になりはじめた。
でも何か本末転倒な感じがして本格的な塗装は嫌だ。ここは手っ取り早く塗装する事にしよう。
こうしてやっと土日で出来るリフィニッシュが始まったのでした。
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