IZYO-3


これから紹介する楽器はZO-3というギターでした。
今は「異常者」という楽器になっています。IZYO-3は型番です。

IZYO-SYA ver.X

クリックで拡大、タッチでZO-3
撮影は同じ距離・角度で行いました。

異常者はver.Xで完成ということで、今回全てのパーツを見直し、ほとんど1から作り直しました。
そして、気付いたのですが、

異常者に終わりはねぇ!!

作っている内に次から次に発想が出てきてしまうんです。これが着工から半年以上もかかってしまった原因です。
なのでこれからも異常者の開発は続きます。しかし、それではキリがないので、やはりここで1つの完成として区切ろうと思います。
発想はまだまだありますが、しばらくは改造を止めて(ミシンや他の楽器もあるし)演奏に力を入れていきたいと思います。
何より、もう2年以上まともに弾いていないので。その間に何もかも変わってしまい、新しい楽器を始めるようなものになってしまいました。

まぁ、何にせよ自信作です。それではご覧下さい。


なんという機能美


今回、一番力を入れたサムピアノ部。イージーチューニングシステムによりギター感覚でのチューニングが可能。
金属加工に苦労した会心の作。かつての異常者の最大のネックがこのサムピアノだった。
ちょっと服がひっかかっただけでチューニングが狂う。チューニングが全キー連動していて非常に面倒。キーが曲がりやすい。などなど、とても厄介な物だった。
それを全て改善したのが今回の作。キー1本1本がロック式になっていて、服がひっかかってもチューニングが狂いにくい。
さらにチューニングは指でネジを回すだけで行える。1本ずつ単独でチューニング可能という、まさに理想的なシステムとなった。
これは市販品でも見た事が無いので、もしかしたら製品を越えたかも知れない。

2段式でキーは12本ある。自作のコイルピックアップとピエゾで音を拾っている。
またチューニングが簡単なので、曲によってチューニングを変える事も可能。下のように色々なタイプのキーを用意しておけば様々な音が楽しめる。

サムピアノの鍵盤。ステンレスや鉄・真鍮など素材が違う物や形が違う物で実験した。今回は鍵盤も全て自作。


クリックで拡大
進化したリボンコントローラ。旧式は「押す」感じだったのだが、今回は「触れる」感じで演奏ができる。
前回は抵抗体に磁気テープを使っていたのだが、伸ばして抵抗値を調整していたせいか時間が経つと抵抗値が変わってしまう為に何度も張り替えていた。
今回はカーボン塗布による本格的な製作。しかも抵抗カーブも調整して弦と同じ間隔で音程が変わるようにしてある。


ネック横の12本のペグは設計ミスでリボンコントローラーを演奏するのに非常に邪魔だったのでツマミを外した。
邪魔にならない一番上のツマミを着脱式にしたので、チューニングする際はこれを外して使う。
いちいちネジ止めしなくてもレンチのように、はめるだけで使えるので不便ではない。


今さら説明はいらないかも知れないが、アウトプット。水(左)が音声出力で、お湯(右)がCV出力。


考えられる所には全てピックアップを付けてみる。ブリッジを斜めにする事で、サドル間の音程を作った。
ヘッドにもピックアップを付けてステレオで出力する構想があったが今回はやらなかった。ちょっと思う所があるので、今後新しい楽器としてやるかも知れない。


サムピアノと並んで今回力を入れたのがハンドル部。グリップもリニューアルしたが、中身が大幅に改良された。
まず、もうピックなんていらない。このハンドルを回せば弦が振動を始め、音が鳴り続ける。ver.9で搭載された自動弦振動装置だ。
そしてもう一つ。ハンドルを回すスピードによって音量をコントロールできるようになった。
これでハンドル開発当初の目標だった、ハンドルさばき一つで時には哀愁漂うメロディを…というのが達成できた。

このシステムは分類すると「電子ハーディーガーディー」になると思う。おそらく世界初だと思う。
いつかハーディーガーディストに見てもらいたい。


コントロール部も一新


自作ピックアップ。気付いたと思うがメタル指板になっている。
サロードというインドの楽器に憧れてステンレスを張ったのだが、すり合わせが大変だった。
ステンレス板で指を切った時は止めようかとも思ったが、デザイン的に絶対必要だと思い、やり遂げた。
最初は特に必要性を感じず、やってみようかな?程度だったのだが、張ってみたらコレだ!と感じたのだ。
音色にも個性が出てとても気に入っている。

指板だけでなく、サムピアノやハンドルなど何度も挫折しそうになったが、一切妥協しなかった。
そして現時点での最大・最高の物ができた。


Fに「二階建て構造ですね!?」と言われたナット。弦が上と下を通っている。


ピックアップも二階建て構造になっている。上下の弦の音を拾う。


後姿も絵になる


ネックが太くなったのでギター用のハンガーに入らなくなってしまった。
そこでジョイントハンガーを作成。太さ調節ができるので応用がきく。これをギターハンガーにかけて使う。

正式版と言いながら今回も大量の実験をしている。例えば塗装は試みとしてダイソーの材料でどこまでできるかに挑戦している。
塗装に使用したスプレーは全てダイソーで購入。また、ダイソーの材料を使用して「インレイもどき」も施した。それは今後紹介しようと思う。
ちなみにパーツから見え隠れしている本体のデザインはゴールドペンによる手書きである。

結構凝ったのだが、パーツを付けたら隠れてしまった。ちゃんと計算して位置を決めたんだけど、予定よりパーツが大きくなってしまった。

ちなみにIZYO-3は「異ゾョウさん」と発音する。
「異ゾウさん」と「異常さん」の間ぐらいで発音するのがミソ 。

ゾウさんから異ゾョウさんへ


改造履歴
ver.7 それまでの9弦から21弦仕様に変更
ver.8 蛇口を2つに増やした。ハンドルコントローラーが新しくなった。
ver.9 ピックアップの変更。縦から横に。ハンドル回路の変更。自動弦振動装置の追加。
ver.X 全て作り直し。正式版の完成。
ver.X rev.2 1年間使ってみて使い辛かった所を修正。ハンドルVCAが新しくなった。その他不具合修正。

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